私は昔から絵画などに興味があって、よく美術館に行きます。展示内容はもちろん展覧会のチラシやポスター、Webサイトなどもデザイン性の高いものが多く、見ているだけでも楽しいですし、仕事をする上でも勉強にもなります。
最近は別の趣味が忙しく、美術館に行く頻度がぐっと下がっていたのですが、久しぶりに展示を観に行って、素晴らしい美術館がたくさんあるなあと改めて感じました。
というわけで、今回は東京近郊を中心に、私がこれまで行った中でおすすめの美術館をご紹介したいと思います。
美術館と聞いて堅苦しく感じる方もいるかと思いますが、面白そうな展示を中心に見るもよし、美術館内のカフェでお茶をしたり、ミュージアムショップで楽しいグッズを見たりして、のんびりした時間を過ごすのもおすすめですよ。
建物やロケーションが素晴らしい美術館
三菱一号館美術館(丸の内)http://mimt.jp/
現代によみがえった明治時代の洋風建築 ★★★★★
1894(明治27)年に、イギリス人建築家による設計で建てられた丸の内初の洋風事務所建築が、老朽化による解体を経て、2010(平成22)年、同地に美術館としてよみがえりました。
1914(大正3)年に建てられた東京駅丸の内駅舎よりも歴史が古いんですね。
このページ最上部の写真と、すぐ上の赤煉瓦が特徴的な写真が、こちらの美術館です。
東京駅と有楽町駅のどちらからも徒歩10分もかからない場所にあるので、アクセスは抜群。
丸の内のビル群の中にあるのですが、赤煉瓦の壁に囲まれたバラの花が咲く中庭にいると、そのことを忘れてしまいます。
東京都庭園美術館(目黒)
http://www.teien-art-museum.ne.jp
アール・デコ様式の建物は必見! ★★★★★
皇族の朝香宮家の邸宅として1933(昭和8)年に建てられた建物が美術館となっています。
アール・デコ様式を取り入れた内装・外装が素晴らしく、その美しさは公式サイトからも垣間みることができますので、ぜひ!ご覧ください。私はこの美術館に何度も行きましたが、いつも展示室の壁や電燈の装飾に見入ってしまいます。
改装のため2014年11月にリニューアルオープンし、庭園は整備工事継続中のため春以降に順次公開とのこと。有料ですが庭園のみの入場も可能なので、そちらをゆったり散策するのもおすすめです。
庭園美術館からちょっと足を延ばして
こちらは美術館ではありませんが、庭園美術館のすぐ隣に附属自然教育園という広さ6万坪もの植物園があります。
入園料は一般310円、高校生以下は無料(2015年1月現在)。
都会の真ん中で自然を楽しむことができるので、お子さんのいる方や「最近マイナスイオンを浴びてないなあ」という方にもおすすめです。
根津美術館(南青山)入園料は一般310円、高校生以下は無料(2015年1月現在)。
都会の真ん中で自然を楽しむことができるので、お子さんのいる方や「最近マイナスイオンを浴びてないなあ」という方にもおすすめです。
http://www.nezu-muse.or.jp
日本庭園で静謐な時間を ★★★★★
実業家・根津嘉一郎氏が蒐集した日本・東洋の古美術品コレクションを保存し、展示するためにつくられました。コレクションの充実もさることながら、隈研吾氏の設計でリニューアルオープンした建物と日本庭園がとても美しい美術館です。
私は以前紅葉の時季に行ったのですが、静かな庭園内で紅葉を眺めることができ、表参道駅から徒歩10分の場所にこんな贅沢な空間があるのだなあとうっとりしてしまいました。
美術館は随所に和風の様式を取り入れながら洗練された現代建築で、ダークな色調の内装に展示物がよく映えます。
Webサイトも美術館の雰囲気が伝わるデザインになっていて、一貫したヴィジュアルから美術館の姿勢が感じられます。
神奈川県立近代美術館<葉山館>(葉山)
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/public/HallTop.do?hl=h
緑と海と芸術鑑賞 ★★★★★
緑と海に囲まれた美術館で、白を基調とした壁とガラス張りの明るい建物は開放感いっぱいです。
海に面したゆったりとした庭園があり、サーフィンをしている人たちの姿が見えることも。
館内のレストランで海を見ながら食事をしてもよいですし、美術館近くのお店でしらす丼を食べるのも私の定番コースの一つです。
電車で行く場合はバス利用になりますが、海沿いをドライブしながら行くのもいいですね。
いつも私が混乱する2つの美術館
横須賀美術館は神奈川県立近代美術館<葉山館>と同様に、山と海岸に囲まれ、白を基調とした現代的な建物の美術館なので、私はいつも混同してしまいます。
記事を書いている今も、「どっちだっけ?」となっていますが、どちらもおすすめです!
記事を書いている今も、「どっちだっけ?」となっていますが、どちらもおすすめです!
これがタダ? 見応え十分な入場無料のギャラリー・博物館
ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)(銀座)http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/
気軽にグラフィックデザインを楽しめる ★★★★★
その名の通り、グラフィックデザイン専門のギャラリーとして、最近人気のアートディレクターやグラフィックデザインの巨匠の企画展などをおこなっています。
展示の量はそれほど多くないので、銀座を訪れたときにふらりと立ち寄ることができるのも魅力の一つです。
また、ggg Books[世界のグラフィックデザイン]シリーズという、国内外の一流デザイナーの作品集も発行されています。B6サイズほどのコンパクトな書籍で、ギャラリー同様に気軽に作品に触れることができるので、一度手に取ってみてはいかがでしょうか。
アド・ミュージアム東京(汐留)
http://www.admt.jp
広告のいま・むかしを知る ★★★★★
カレッタ汐留内にある、広告にまつわるギャラリーです。
企画展では広告に関する国内外のアワードの受賞作品が展示されており、最新の広告表現を学ぶことができます。
また、常設展示では日本の江戸時代から現代までの広告資料が年代別に多数展示されています。懐かしいポスターやCMなども見ることができるので、どの年代の方が行っても楽しめるのと思います。
同建物内にある広告とマーケティングに関する書籍や雑誌などを集めた広告図書館も無料で利用することができるので、興味があればギャラリーと合わせて1日過ごせそうですね。
東京大学総合研究博物館 http://www.um.u-tokyo.ac.jp
さすが東大!と言いたくなるクオリティ ★★★★★
学術標本というと、展示の構成やデザインにはあまり力が入れられていないな、と感じる場合も少なくないと思うのですが、こちらの博物館では構成や展示の仕方が凝っていたり、ポスターもデザイン性が高く、私のような専門外の人間でも楽しく見ることができました。
普通はなかなか訪れる機会のない東大ですので、「東大に入っちゃった!」というミーハー心もくすぐられます。
ちなみに、東大の博物館は本郷本館と小石川分館、インターメディアテク(日本郵便株式会社と東京大学総合研究博物館が協働で運営をおこなっている施設)などがあるのですが、Webサイトがわかりづらいのがすこし残念です。
番外編
デパート内の美術館・ギャラリー(各所)デパートの一部だと思って侮るなかれ ★★★★★
「買い物のついでにふらっと立ち寄れる」などと思っていると、意外に展示量が豊富で圧倒されることが多いのが、デパート内にある美術館。
立地が良く、有名なものや一般受けのする企画展示も少なくないため、人気の展示の際は混雑必至です。
最近私が行った中では、そごう美術館(横浜)の「トーベ・ヤンソン展」(ムーミンの作者)や、日本橋髙島屋(日本橋)の「川瀬巴水展」(大正・昭和期の浮世絵師、版画家。とにかく素晴らしいので一度ググって見てください!)もかなりの混雑でしたが、充実した展示でとても満足しました。
展覧会情報を調べるには「artscape」がとっても便利!
興味を引く美術館はありましたか?まだまだ素敵な美術館は沢山あるので、またの機会にご紹介したいと思います。
最後に、美術館や展覧会の情報を調べるのに役立つサイトをご紹介します。
美術館・アート情報 artscape http://artscape.jp
日本国内の展覧会情報がまとめられており、今どこでどのような展示が開催されているのかがすぐにわかります。
展覧会のレビューから面白そうな展示を探してもよいですし、「時間が余ったなあ」という時でも、地域別で美術館情報が紹介されているので、サッと調べることができて便利です。
今回は東京近郊編をお届けしましたが、おすすめの美術館 – 海外編や、最近観た展覧会のレポートなどもできればと思いますのでお楽しみに!