ここ最近、SQLを扱う機会が多くなりました。いろいろと調べつつ、その都度学びながら過ごしています。
さて、今回は「別テーブルの値を用いて更新する方法」というテーマについて、ご説明します。例えば、テーブルAのカラムの値を更新するときに、「Bテーブルのカラムの値を用いて更新したい」ということがあると思います。そんなときはどのようにすれば良いでしょう?
普段は「UPDATE HOGE SET COL_A= ‘1’」みたいな感じで記述しているのに、どうしよう…??と考える人が多いと思います。
というわけで、別テーブルの値を用いて更新する方法を紹介したいと思います。
1. 別テーブルの値を用いて更新する
Oracleで特定のテーブルの値に対して、別テーブルの値を用いて更新する場合、以下の様に記述します。
UPDATE TAB_HOGE_1 T1
SET
T1. COL_A =
(SELECT
T2.COL_X
FROM
TAB_ HOGE_2 T2
WHERE T2. KEY_COL = T1. KEY_COL);
上記の場合、TAB_HOGE_1テーブルのCOL_Aカラムに、TAB_ HOGE_2テーブルのCOL_Xカラムの値をセットするという意味になります。その際に、サブクエリの条件として、TAB_HOGE_1のKEY_COLとTAB_ HOGE_2のKEY_COLを結合しています。尚、複数カラムを更新したい場合は、次のように記述します。
UPDATE TAB_HOGE_1 T1
SET
(T1. COL_A
,T1. COL_B)
=
(SELECT
T2.COL_X
,T2.COL_Y
FROM
TAB_ HOGE_2 T2
WHERE T2. KEY_COL = T1. KEY_COL);
それでは、実際に試してみましょう。今回、Oracle Live SQLで試してみます。例として、「果物テーブル」と「果物色マスタ」を用意し、果物テーブルを更新してみます。
用意した「果物テーブル」のFRUIT_COLOR_NAMEカラムには値が入っていませんので、「果物色マスタ」を参照して、「果物テーブル」の果物の色を設定します。「果物テーブル」のFRUIT_COLOR_CDカラムと「果物色マスタ」のFRUIT_COLOR_CDは紐づいており、「果物テーブル」の色を設定できそうです。
それでは、「果物テーブル」と「果物色マスタ」のFRUIT_COLOR_CDで結合して、「果物テーブル」に果物の色を設定してみます。
UPDATE FRUIT T01
SET
(
T01.FRUIT_COLOR_NAME
) =
(
SELECT
T02.FRUIT_COLOR_NAME
FROM
FRUIT_COLOR T02
WHERE T02.FRUIT_COLOR_CD = T01.FRUIT_COLOR_CD);
上記SQLを実行して、テーブルを確認します。SQL実行!
テーブル確認!
「果物テーブル」のFRUIT_COLOR_NAMEが更新され、果物の色が設定されましたね。
ちなみに、FRUIT_COLOR_CDの値005,006,007は「果物色マスタ」に存在しないので、更新されません。
2.別テーブルに存在するレコードだけを更新
さて、先述したUPDATEのSQL文ですが、SQLの実行結果を見てみると、果物テーブルのすべてのレコードがUPDATEされています。もも、20世紀ナシ、メロンは更新しなくていいのに…
「果物テーブル」のFRUIT_COLOR_CDカラムに存在する005, 006, 007は「果物色マスタ」には存在しませんが、「果物テーブル」のすべてのレコードを更新しています(結果的に、FRUIT_COLOR_NAMEはNULLになっています)。それもそのはずで、UPDATE文に条件を指定してないからです。
今回の例ではレコード数が少ないので、パフォーマンスには問題ありませんが、何万件、何十万件といった大量データを更新するとなると、SQLの実行に時間がかかってしまいます。そのため、「果物色マスタ」に存在する、という条件を指定する必要があります。
UPDATE FRUIT T01
SET
(
T01.FRUIT_COLOR_NAME
) =
(SELECT
T02.FRUIT_COLOR_NAME
FROM
FRUIT_COLOR T02
WHERE T02.FRUIT_COLOR_CD = T01.FRUIT_COLOR_CD)
WHERE EXISTS (SELECT 1
FROM FRUIT_COLOR T02
WHERE T02.FRUIT_COLOR_CD = T01.FRUIT_COLOR_CD);
UPDATE文の条件にEXISTSを加えます。EXISTS条件の内容は、サブクエリで記述した条件と同じにすれば、別テーブルに存在するデータのみ更新します。実際に試してみましょう。7レコード更新されていればOKです。
ちゃんと「果物色マスタ」と紐づく「果物テーブル」の7レコードだけが更新されましたね。更新結果も同じです。
まとめ
今回は、別テーブルの値を用いて特定のテーブルを更新する方法でした。構文自体はそんなに難しくないので便利ですが、EXISTS条件を指定しないと更新対象のテーブルにおいて、すべてのレコードが更新されてしまいますので、大量データを更新する時には注意が必要です。なお、本記事で使用したOracle Live SQLについては、過去ブログにいくつか紹介していますので、そちらも合わせてご覧下さい。