今日は、システム開発プロジェクトで必ずと言っていいほど登場するPM(プロジェクトマネージャー)のお話をしたいと思います。
PM(プロジェクトマネージャー)とは
皆さんは、プロジェクトマネージャーの役割をご存知でしょうか。プロジェクトとは、「何らかの目標を達成するための期限がある活動」のことで、それをマネジメントする立場にあるのがプロジェクトマネージャーです。
一言でマネジメントと言っても様々な意味があり、「管理」だけでなく、「遂行」や「維持」「コントロール」という意味合いもあります。
マネジメントの具体的な内容ですが、一般的なプロジェクトマネージャーの管理業務として以下のようなものが挙げられます。
・進捗管理
・問題管理
・変更管理
・リスク管理
・品質管理
・構成管理
・リソース管理
個々の内容については今回割愛しますが、プロジェクトマネージャーはプロジェクトが計画通りに進められるよう様々な管理を行っていきます。
また、それぞれの管理業務は密接に関係しているため、バランスを保ちながら円滑に進むよう注意しなければなりません。
従来のプロジェクトマネジメントは、製造業で使われてきたQCD管理(Quality(品質)、Cost(原価)、Delivery(納期))が中心で、それをベテラン社員が勘・コツ・経験を基に行ってきていました。(言いすぎかも)
ですが、最近では「PMBOK(Project Management Body Of Knowledge)」を利用することも多くなっています。
PMBOKとは、プロジェクトをマネジメントする上での基本的な考え方や手法などを纏めたノウハウ集であり、デファクトスタンダードとなっているため、知識を蓄えておくことは必要です。
資格もありますので興味のある方はこちらへどうぞ。
https://www.pmi-japan.org/pmp_license/
管理業務に一番大事なことは?
そんな管理業務には、どんな能力や知識が必要なのか?ということを書き連ねていくと沢山ありますが、私がこれまで携わってきたプロジェクトを通して、一番大事なことを1つ絞るとしたら、それは『コミュニケーション(力)』だと感じています。プロジェクトは様々な「人」によって構成されています。
その「人」をしっかりと見なければプロジェクトは円滑に進みません。
システムはプログラミングしたとおりに自動で動いてくれても、「人」は自動で動いたりしてくれませんからね。
しっかり目的を理解してもらい、プロジェクト全体の中でどういった活動をしてもらいたいのか伝えなければいけません。でなければ、どんなに立派な計画を立てても、管理方針を定めても意味がありません。
プロジェクトは多くの人が携わっており、同じ目標に向かってそれぞれの役割を果たすために活動していくものです。
それぞれの役割で作業する中で、考え方や優先順位などは異なります。
立場が違えば、見えているものも違いますので、時には意見の対立が起こることもあります。
そんなとき(出来ればそんなことが起きる前から)にプロジェクトマネージャーが間に立ってコミュニケーションをとり、両者が納得できる答えを導き出すことが大切になります。
箱根駅伝にみるマネジメント
毎年恒例の箱根駅伝。これに出場している「関東学生連合」というチームがあるのをご存知ですか?
このチームは、箱根駅伝予選会で出場権を得られなかった大学の中から、予選会で個人成績が優秀な選手が選抜されて構成されています。
ですが、優秀な選手の集まりであるはずなのに、チームとしては毎年なかなか上位には入れません。(今年は20位)
そんなチームが、2008年の第84回大会に第4位になりました。
その時にチームを率いていたのは、先日の箱根駅伝で総合優勝した青山学院大学の原監督でした。
勝因について選手たち全員の目的を意識付け、チームとしての一体感を持たせたからという記事がありました。
「自分ひとりの記録のために」でなく、「チームで目標を定め、協力して目指すこと」を植え付けたのだと思います。
プロジェクトも同じで、どんなに高スキルの人を集めても、経験豊かな人がプロジェクトマネージャーになっても、目標を共有し、全員が同じ方向を向いて、共にその目標を達成する意識がなければ、きっとうまくいかないでしょう。
そうならないためには、やはりコミュニケーションを意識的にとることが必要です。
今年の大会で優勝した青山学院大学チームの選手たちは、大会中でも笑顔だったりと選手同士の仲が良さそうな印象を受けました。
システム開発プロジェクトでも一体感を持って共に取り組むことができれば、目標を達成できるようになるでしょう。